2025/10/01 00:00

 9月9日のブログでもお伝えしておりますが、ストレスチェック制度が中小企業でも義務化となります。ストレスチェックは単なる法令遵守にとどまらず、従業員の心の健康を守ることはもちろん、職場環境の改善、生産性向上、人材定着、さらには企業価値の向上にもつながる取り組みです。

 そんな中で20251113日(木)に開催されるのが、令和7年度「職場のメンタルヘルスシンポジウム」。本シンポジウムでは、中小企業がどのように工夫し、限られたリソースの中で実効性のあるメンタルヘルス対策を行っているのか、実際の取り組み事例を聞くことができます。Zoom参加なら質疑応答で登壇者に直接質問も可能、YouTube配信での視聴も予定されています。 

 では、実際にどのような企業の取り組みが紹介されるのか?ここでは、その一例をご紹介します。


事例から見える「小さな会社の大きな工夫」

【鉄スクラップの買い取りおよび回収会社(従業員数7名)】
従業員7名という少人数規模ながら、社内コミュニケーションの課題を契機に、あえて産業医を選任し、外部の産業保健サービスを活用しました。
ストレスチェック(57項目)や電話健康相談、産業医面談の仕組みをパッケージ導入し、健康情報を毎月発信。高ストレス者が出た場合には産業医面接を経て、会社として対応できる仕組みを整えています。
「専門家にいつでも相談できる」という安心感は従業員の信頼につながり、社外的には「健康経営優良法人」の認定も取得。小規模事業場でも、外部リソースをうまく取り入れることで本格的な体制を構築できることを示した好事例です。

【石灰石、その他鉱物の採掘、加工、製品出荷会社(従業員数80名)】
複数事業場に分かれ、それぞれ50人未満ながらも産業医を選任し、毎年ストレスチェックを実施。産業医が安全衛生委員会で結果を解説し、高ストレス者には面接を勧奨。必要に応じて専門医受診にもつなげています。
また、集団分析で「暑熱環境がストレス要因」と出ればスポットクーラーを導入するなど、データに基づいた環境改善を実施。さらに、社内外の相談窓口を整備し、労組との意見交換や新入社員向けの交換日記・メンター制度も導入。結果として、風通しの良い職場風土が醸成され、従業員が知人を推薦するなど採用にも好循環が生まれています。

メンタルヘルス対策を経営に必要な視点として取り入れる絶好のチャンス

人手不足が常態化する今、ひとりの従業員がメンタルヘルス不調で休職すれば、組織全体に大きな影響が及びます。代替要員の確保は難しく、残った社員の負担が増えれば、さらに不調者を生む悪循環に陥りかねません。休職や離職は、単なる個人の問題ではなく経営リスクそのものなのです。

今回のシンポジウムでは、ストレスチェック義務化への対応を「最低限やるべきこと」で終わらせるのではなく、実際に中小企業が行っている工夫や改善のプロセスを通じて、不調者を出さないための仕組みづくり、そして不調が出ても早期に対応できる体制づくりを学ぶことができます。

外部専門家の活用や、ストレスチェック結果を基にした職場環境の改善、社内外の相談ルートの整備には一定のコストがかかります。しかし、それ以上に大きなコストは、退職者が出て新たに1名を採用・育成する場合や、休職者の穴を埋めるために周囲が負担を抱える場合に発生します。メンタルヘルス対策は“コスト増”ではなく、経営を守るための“必要不可欠な経費”と捉えるべきなのです。

ZoomやYouTubeで手軽に参加できるこのシンポジウムは、人材を守り、経営リスクを最小化し、持続可能な経営基盤をつくるための絶好の機会となるはずです。お時間の調整がつく方はぜひ参加してみてください。

※令和7年度 職場のメンタルヘルスシンポジウム「中小企業におけるメンタルヘルス対策~ストレスチェック義務化への対応~」詳細はこちら→https://kokoro.mhlw.go.jp/mental_sympo/2025/