2025/06/25 19:45
① 1億6,800万円
② 2人に1人
③
6割
さて、この数字は何でしょう?
①はある大手広告代理店に勤めていた入社2年目の社員が過重労働からうつ病を発症し自殺した時に、会社がご遺族へお支払いした和解金の額です。
この数字(額)をご覧いただいてどう感じますか?自分の会社の従業員がもしそうなったとしたらどうでしょう?ひょっとしたら会社が存続できない額ではないでしょうか?もちろん金額だけではなく、まずは大切な従業員が自殺するほど追い詰められたという事が大きな問題ですし、このような事が起こると、周りの従業員への影響も大きくなります。そのため、この数字以上のダメージがあると思いませんか?
②は働いている人の約2人に1人において精神的健康度が低く、うつ病や不安障がいなどの精神疾患を発症するリスクが高いという調査結果の数字です。(「働く人のメンタルヘルスとサービス・ギャップの実態調査」株式会社NTTデータ経営研究所 2021.09.15)
③は上記のアンケートうち、コロナのまん延以降ストレスや悩みが増加したと回答した人の割合です。
これらの数字を見るだけでも、会社(社長)にとってメンタルヘルスの問題は万が一起こった時には会社の存続に関わる問題へと発展する可能性があり、かつ、それは大手だけではなく中小企業であったとしても起こり得る問題であることをご理解いただけるのではないでしょうか。
メンタルヘルス対策やハラスメント対策は会社にとってディフェンス(守り)の役割り
しかし、そんな中で、もし1億6,800円の支払いをするような出来事が起きたらどうでしょうか?状況は大きく変わってしまいます。だからこそ、実はメンタルヘルス対策やハラスメント対策をしっかりと行っていく事は会社を守るディフェンスの役割りとして大きいのです。
メンタルヘルス対策&ハラスメント対策の本当の目的
メンタルヘルスやハラスメント対策の目的は、まずはリスクマネジメントです。しかし、それだけでは実はありません。
中小企業の悩みである「募集をしても人が集まらない」という問題。この対策のためには今いる従業員を辞めないようにする事も大切。しかし、従業員がもしメンタル不調などになったらどうでしょう?辞めざるを得ないこともあります。辞めないまでも休職となったりもします。
しかしなぜメンタル不調となったのでしょう?その背景にはハラスメントがあるかもしれませんし、働く環境で多くのストレスがあるのかもしれません。そのため、メンタルヘルス対策は、不調者だけを対応するのではなく、その背景であるストレス要因に対して会社として対策をしていくのがポイントです。それが実はメンタルヘルス対策そのものであり、それをすることで働きやすい職場づくりができてきます。だからこそメンタルヘルス対策は「離職対策」ともなり得ます。
またメンタル不調になる従業員は実は生産性が下がっていることが多いです。日本企業は世界と比べて生産性が低いとも言われていますが、従業員のメンタル不調も要因の一つかもしれません。
事実、Google、 Apple、ヤフー、メルカリなどはマインドフルネス瞑想を学び、ストレス耐性を高めるとともに、プレゼンティーイズム(※)の改善を目指す取組みなどもしています。この事からもメンタルヘルス対策は生産性の向上を目指す取組みとなるのです。
【メンタルヘルス対策の目的】
1.
リスクマネジメント
2.
離職対策
3.
生産性の向上
会社がメンタルヘルス対策を行う目的は不調者対応だけではなく、この3つを含めることがポイントです。
当社ではお客様のニーズに合わせたメンタルヘルス研修を承ります。
※プレゼンティーズム(presenteeism)とは、心身の不調によって思うようにパフォーマンスが取れなくなる状況のこと