2025/07/10 12:00

 仕事をけっこう抱えている状況であるにも関わらず「これ、よろしく。」と、こちらの都合も聞かずに仕事を振ってくる上司に対して、イラっとしながらも「…はい。わかりました。」と仕事を受け取ってしまっていることはありませんか?

 そしてその状況で余計にイライラしたり、あるいは「断れば良かった…」と自己嫌悪に陥ったりしていませんか?

 なぜこのような事は起こるのか?そういう時にはどうしたら良いのでしょうか?

 

役割期待のズレとは?

 これらは「役割期待のズレ」から生じるストレスです。「役割期待のズレ」とはどのようなものでしょうか?

  人はそれぞれの立場から相手の立場に対して、何かしらの「期待」をしている事が多く見られます。しかし、自分が期待している役割を相手の人が果たしてくれなかったり、やらないでほしいと思うことをされてしまったりすると、ストレスに感じます。あるいは、相手が自分に期待している役割が、自分の苦手なことだったり、やりたくないことだったりするとストレスになります。

 このように「役割期待」に対するズレによって起こるストレスを人は多く経験しています。

  最初に記載した上司の「これ、よろしく。」に対する部下の「…はい。わかりました。」のストレスは、図にすると下記のようになります。

  上司は部下(という役割)に対して思っている期待に対して、部下は部下で上司(という役割)に対して思っている期待があり、そのズレが生じている事によってストレスが生じているのです。

  

役割期待のズレを解消する3つの方法

 では役割期待のズレを解消するにはどのようにすればいいのでしょうか?そのポイントは3つです。

       自分が相手に期待している事と、相手が自分に期待している事について考えてみる

      具体的な言葉で相手に対する役割期待を伝える

      お互い合意できる着地点を見出す

 立場が変われば考え方も変わるのは当然のこと。だからこそ①では相手の立場に立って考えることが必要です。そして相手に対する自分の期待が妥当かどうかや、逆に、相手が自分に期待していることに応えられるのかどうか、などを考えてみることは有効です。

 

また②、いくらイロイロな事を考えたとしても相手に伝わらなければ意味はありません。そのため相手に対して自分が期待していることなどを伝える必要があります。

しかし、その伝え方には注意が必要で、相手の立場を考えるあまり、遠まわしに言い過ぎてはNG。伝える時には言葉使いは丁寧に、しかし伝える内容はできるだけ率直に伝えていくことが大切です。

 

そして③、役割期待をお互いに確認したうえで、なぜそれを期待するのか?など話し合いながらお互いに合意できる着地点を見出していきます。

 この3つをしていくことで役割期待のズレが改善され、お互いのストレスがなくなります。


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