2025/05/26 12:00
ストレスを引き起こすネガティブな感情には「不安」「心配」などがあります。これらの考え・感情が出てきた時にそのままにしておくことで、より一層不安な気持ちや先の心配が増してきて、負のループに陥ることはよくありますよね。
「不安」や「心配」という感情が出て来るのはなぜでしょう?その時々で異なるとは思いますが、よくあるのは過去に同じような経験をし、その結果が良くなかったという事が考えられます。過去の経験を思い出し「また失敗するのではないか?」「また怒られるのではないか?」と考えることで不安になったり、心配になったりするのです。これは過去に囚われすぎていると出てくる感情です。
あるいは経験していなくても「(悪い事を想像し)そうなったらどうしよう…」と、まだ起こっていない未来を悲観的に想像するということもあります。これは不安の先取りです。
今月はそのような時に行う対処法を2つご紹介します。
「不安」「心配」が出てきた時の行動対処法 その①
不安や心配な気持ちが出て来ると、その事で頭が占領されてしまいがちになります。場合によっては、そればかり考えてしまって他の事が手に付かないという事にもなり得ます。そんな時の対処法は実に簡単!『身体を動かせ!』です。
人間はじっとしている時、色々な事を考えています。だから考えることを強制的にストップさせるために、身体を動かすことをお勧めします。
特にお勧めは有酸素運動(ウォーキングや軽いランニング、サイクリングなど)。有酸素運動をすることによってセロトニンの分泌を活性化できることが分かっています。セロトニンは別名「幸せホルモン」とも呼ばれています。セロトニンが活性化することで、心を落ち着かせたり前向きな気持ちが促進される効果があります。
ウォーキングしている最中でも不安な事がイロイロ考えてしまう時には、できるだけ普段通らない道や景色の良い道を選ぶようにします。最初は不安感で占領されている頭も、外の景色を見ていることによって気持ちが落ち着き、不安な事を考えなくなります。
有酸素運動をする時間がないという方にお勧めなのは掃除です。掃除する場所はどこでも良いですが、可能であればキッチンの油汚れやお風呂場のカビ掃除や窓拭き、物が多すぎてごちゃごちゃしている所の整理など、あまりやっていない所がお勧め。手を動かし汚れを落としたり、物を整理していくことで、掃除中は不安な事の考えから頭を切り離すことができます。しかも掃除終了後は部屋などがきれいになっているので達成感も味わうことができ、気分が良くなり前向きに考えることができるようになります。
「不安」「心配」が出てきた時の行動対処法 その②
不安や心配な気持ちが出て来るのは、先の不透明感や過去の苦い経験などが要因です。この「不安の先取り」「過去の囚われ」への対処としては『未来予想図を書き換えろ!』です。
「不安の先取り」「過去の囚われ」によって悪い未来を想像し、「そうなったらどうしよう…」という気持ちが沸き起こります。これらは人間の本能に備わっている身に迫る恐怖を感じている状態。これを感じられるのはリスクに敏感な人ですから、防衛本能が機能している証拠で悪いことではありません。
ではそのような感情が出てきた時にどうするか?その対処はシンプル。想像している最悪なシナリオ、そしてそれらを回避するための策や、そうならないための根拠を書き出すというもの。
未来予想図書き換えシート |
① 今抱えている「不安」「心配」なこと。想像している最悪なシナリオ |
例)次回のプレゼンは自分が担当することになった。人前での発言もプレゼン資料の作成も苦手。結局失敗して恥をかくに決まっている。部署の後輩からも冷ややかな目で見られるかも。上司からも「あいつは仕事できない」と思われる。 |
② なぜそう思うのか? |
前回のプレゼンで失敗し、結局自分の提案は通らなかった。その後に発表していた後輩の提案はすばらしく社内から絶賛されていた。自分と比較されているように感じ、とても形見が狭かった。後輩もその後から自分に質問してくる事が減った。上司も自分より後輩を可愛がっているように感じる。 |
③ ①とならないために自分に出来る事、あるいは①にならない根拠 |
l
プレゼンが毎回通らないということではない。OKな時もある。 l
前回は提出まで時間が無かったが今回は時間にも自分の業務量的にも余裕はある。 l
提出までの2週間。情報等をリサーチできる時間はある。 l
パワーポイントの作成が苦手。部署の〇〇が得意だから見せ方のコツを教えてもらおう。 l
人前で話す練習として、まずは同期の〇〇に練習台になってもらおう。 |
④ ②をすることで見えて来る良い未来予想図。こうであって欲しいとういう未来予想図 |
今回は自分が提案したプレゼンが受け入れられる。上司からも「良い提案だ。これで進めよう。」と褒められる。得意先からも「良い提案をしてくれたお陰で効率が上がったよ」と満足される。 今回プレゼンが通らなくても、継続的に練習していくことで自分のスキルは上げることができるようになるので、プレゼンが通りやすくなる。 |
このように最悪な未来予想図を、良い未来予想図に書き換えるのです。漠然とどうしようという不安や心配に囚われているよりも、その解決策を具体的に考えることで、未来予想図を書き換えることができます。
不安や心配に囚われ、負のループになる前にまず行動!ぜひ実践してみてください。
当社ではお客様のニーズに合わせたストレス対処法などセルフケア研修を承ります。